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弁護士による、相続に関するQ&A

弁護士 さむらいの会

夫が先日、亡くなりました。私達の間には子供はなく、夫の父母も既に死亡しています。夫には、妹が1人おりますが、その妹も夫の財産を相続するのでしょうか。
夫婦の一方が死亡すれば配偶者は常に相続人となります(民法890条)。そして、夫婦に子供がいれば、あなたと子供のみが相続人となりますが(民法887条)、子供がいなければ、夫の直系尊属(夫の実父あるいは実母)があなたとともに相続人となり(民法889条1項)、直系尊属もいなければ夫の兄弟姉妹が相続人となります(民法889条1項)。従って、今回はあなたと夫の妹さんが相続人となります。なお、相続分の割合は、あなたが4分の3、妹さんが4分の1となります(民法900条)。
私には、妻と子供2人がいます。子供2人は独立して生計しており、土地建物も持っており、経済的には何ら不自由しておりません。そのため、私の財産は全て妻に渡したいと思っておりますが、全財産を妻に相続させることは出来るのでしょうか。
基本的に子供2人の相続分をゼロにすることは難しいです。妻に全財産を相続させるには、遺言で妻に全財産を遺贈させたり、全財産を相続させると指定したりする方法が考えられますが、民法は遺留分という制度を設けているので(民法1028条)、相続分をゼロにすることは難しいのです。遺留分とは、相続財産ののうち、被相続人が相続人に対し残しておかなければならない財産部分で、妻と子供がいる場合、全相続人の遺留分は被相続人の財産の2分の1となります。各相続人の遺留分は、これを相続分で分けたものになるので、子供達の遺留分は2分の1×2分の1です。従って、あなたの財産の4分の1は、子供2人が遺留分として確保できることになります(子供1人1人の遺留分は8分の1となります。)。 基本的には以上のとおりですが、設問の中で、子供2人が土地建物を持つにあたり、あなたが援助を行った場合、このような費用は「生計の資本」として贈与とみることが出来ます(民法903条1項)。そのため、この前渡金額が子供達の遺留分に達していれば、遺留分侵害には該当しませんので、あなたは妻に全財産を遺贈させたり、相続させると指定したりする方法で全財産を妻に与えることが出来ます。
父が死亡し相続が発生したのですが、父は知人が銀行融資を受けるときの保証人となっていることが判明しました。その後の調査で、保証債務の額は4000万円で主債務者である知人は破産していることが分かりました。相続人は長男の私と母、妹の3人です。このような場合、私達相続人は、保証債務を履行しなければならないのでしょうか。
保証人は、主たる債務者が履行をしない場合に債務の履行をしなければならず(民法446条)、保証債務も原則として相続人に承継されます(民法896条)。従って、保証債務もあなた方相続人に相続されますが、保証債務も分割債務となりますので、それぞれの相続分に応じて分割された負担部分の支払いをすることとなります。今回のような4000万円では、あなたの母が2分の1である2000万円、あなたが2分の1の更に2分の1である1000万円、妹さんがやはり1000万円の支払いをすることとなります。
上のようなケースで、父には全く相続財産はなく、借金や保証債務という債務ばかりがあることが分かりました。私達相続人には、これらの債務を支払う能力がありません。このような場合でも債務を相続しなければならないのでしょうか。
あなた方のような場合、相続放棄(民法938条)という手段をとることが出来ます。相続を放棄すると最初から相続人とならなかったことになるので(民法939条)、被相続人の遺産や債務は放棄をした相続人に一切承継されません。従って、本件のように財産が一切なく債務だけば莫大な場合には相続放棄を行うことが最良の手段となります。なお、相続放棄の手続きですが、相続人が自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません(民法915条、938条)。この期間内に家庭裁判所に申述しないと単純承認したものとみなされて相続人として債務を全て承継することになるので注意してください(民法921条)。ただし、相続財産の調査などで相続放棄するか否かの判断が十分につかない場合には、家庭裁判所に期間伸長の申立を行うべきでしょう(民法915条1項但書)。
個人で電気店を営んでいた父が死亡しました。私は独立しており父の店を引継ぐ気持ちはなかったので、父の店にあった電気商品をほとんど処分しました。その後、父に莫大な借金があったことが判明したので相続放棄をしたいと思います。このような場合、相続放棄出来るのでしょうか。
あなたの場合、残念ながら相続放棄できません。民法921条1項1号では、相続財産の全部または1部を処分した場合には単純承認したものとみなすと規定しております。民法がこのような規定を置いたのは相続財産の処分を信頼した第三者の保護や、相続財産の債権者や他の共同相続人に不測の損害を与えるなどのためです。従って、相続財産を処分したあなたが相続放棄をすることは出来ません。

遺産相続に関する弁護士報酬

下記報酬は、ご相談者の遺産相続トラブルが、弁護士のみで対応する場合の金額です。「士の会」の他の士業と連携して対応する場合、金額が異なる場合がございます。
訴訟事件等の着手金・報酬について
報酬の種類 業務の内容 弁護士報酬の額
着手金 事件の経済的な利益の額が300万円以下の場合 8%
300万円を超え3000万円以下の場合 5%+90,000円
3000万円を超え3億円以下の場合 3%+690,000円
3億円を超える場合       2%+3,690,000円
報酬金 事件の経済的な利益の額が300万円以下の場合 16%
300万円を超え3000万円以下の場合 10%+180,000円
3000万円を超え3億円以下の場合 6%+1,380,000円
3億円を超える場合       4%+7,380,000円

着手金は弁護士に事件を依頼した段階で支払うもので、事件の結果に関係なく、つまり不成功に終わっても返還されません。着手金はつぎに説明する報酬金の内金でもいわゆる手付金でもありませんのでご注意ください。 報酬金というのは事件が成功に終わった場合、事件終了の段階で支払うものです。成功というのは一部成功の場合も含まれ、その度合いに応じて支払いますが、まったく不成功の場合は支払う必要がありません。 なお、事件の内容により着手金と報酬金は30%の範囲内で増減が出来ます。 着手金、報酬金には別途消費税がかかりますのでご注意ください。 実費、日当は、着手金及び報酬金とは別ですのでご注意ください。
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